大手企業とベンチャー企業のどちらも経験した感想。セキュリティ業界で就職するならどちらがおすすめか

セキュリティ業界で就職先に迷っている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、大手企業とベンチャー企業のどちらも経験した私から、就職するならどちらがオススメなのかを解説していきたいと思います。

一概に言えるわけではありませんが、一意見としてご参考になればと思います。

目次

大手企業で勤務するメリット

ロールモデルを探しやすい

大手企業で働くメリットの1つに、社内には様々な先輩社員がいるので、自分にとってのロールモデルを探しやすいといったメリットがあります。

大手企業であれば、同じ職種の方達が沢山いるので、ロールモデルや憧れの人が見つかりやすく、自分の理想的なキャリア像をイメージしやすいですね。

一方で、ベンチャー企業となると話は変わってきます。

理由としては、セキュリティ業界の特徴として、人材が不足していることと、職種が多様化しているので、人数が少ないベンチャー企業の場合、ロールモデルを見つけることが中々難しいんです。

例えば、同じ技術職でも、大手なら30人いるところが、ベンチャーの場合2~5人ということもあり得ます。

研修や教育制度が充実している

大企業では、研修制度が充実しています。

一般的にベンチャー企業と比べると、大企業の場合、入社後1ヶ月単位で研修を行うことが多いのではないでしょうか。

セキュリティの場合、広範な知識が必要となるので、もし前職や専攻が異なる分野であれば、大企業の研修はとても良い学習機会だと思います。

ただし、注意が必要なのは、研修は社員全員のレベルに合わせて作成されており、個々人が必ずしも満足できるものではないというこです。

セキュリティ業界でよくある入社時の研修というのは、IT基礎研修でしょうか。

基本的なプログラミングやLinux操作を学べるものの、元々技術力がある人には有意義なものではない可能性があります。

なので、「大企業だから教育してもらえる」などとは決して過信せず、入社前に調査しておくべきでしょう。

完成されたビジネスを勉強することができる

大手企業では、先人達の知恵から、完成された(安定した)ビジネスを学ぶことができます。

つまり、1つのサービスをとっても、多くの人数や時間をかけて作られ、改良されてきたものなので、ベンチャー企業の同種のサービスと比べた場合、品質が良いことが多いです。

そのため、サービスで使われている技術も網羅的かつ高度なものが使われていることもよくあります。(※ もちろん、1つの分野に特化してサービスを開発されているベンチャー企業の場合は、その限りではありませんが)

また、ソフトスキル的な意味合いでは、ビジネスマナーや安定した仕事の進め方なども大手企業の方が学ぶのに適しているでしょう。

ベンチャー企業では、成果第一なので、そういったところは我流もしくは学べないことも多いです。

ベンチャー企業で勤務するメリット

0→1を作るプロセスを経験できる

ベンチャー企業では、会社の業績を上げるために、常に新規サービスの開発を行なっています。

そのため、0からサービスを立ち上げる経験をすることができます

何人かのチームで新規サービスを作り出すことは、とても大変である一方で、何にも変えがたい喜びや達成感を感じることができます。

セキュリティの場合、ブロックチェーン、iOT、OTなど、最新技術を使ったサービスを開発することも、ベンチャー企業ではよくあることなので、最新技術xセキュリティで仕事をしたい人には凄くオススメです。

補足情報として、大手企業ではこういった経験がしにくいです。

なぜなら、最新技術の登場に合わせて経営方針を変えられるほど柔軟性はないことが大きな理由です。

ベンチャー企業は時流に合わせて経営方針を変更できることが大きな強みでしょう。

裁量や仕事範囲が大きい

ベンチャー企業では、個々人のやる気や能力に応じて、仕事が与えられるケースが多く、成長機会がとても多いです。

入社後、すぐにプロジェクト責任者などを任せられたり、自分の担当外の仕事をお願いされることもよくあります。

こういった機会を通じて、最初は特定の技術分野にしか詳しくなくても、色んな仕事を経験することを通じて、自分の強みを拡大していくことが可能です

もし、セキュリティ分野で広く仕事を経験してみたいと考えるなら、ベンチャー企業は良い選択肢かもしれません。

起業に必要な人脈をつくりやすい

ベンチャー企業では、トップとの距離が近いので、経営者層と会話する機会が非常に多いです。

そのため、起業の相談をすることも簡単にできますし、人脈を広げるためのお手伝いを依頼することもできるでしょう。

また、トップとの距離が近いことで、技術だけではなく、経営的な視点でのサービス開発や市場分析なども経験することができます。

こういった経験は大手企業では難しいことなので、セキュリティで起業を考えられている方には良い選択肢かもしれないです。

企業選びの注意点

新卒でオススメなのは?

よく言われることですが、非常に難しい質問です。

私であれば、0からセキュリティを学びたいのであれば大手のコンサルティング企業2~3年で起業を考えているなら、強みや独自性があるベンチャー企業を選ぶでしょう。

大手のコンサルティング企業であれば、研修や仕事の種類が充実しているので、セキュリティを基礎から勉強しながらキャリアを進められるでしょう。

また、短期での起業目的であれば、ベンチャー企業でしょう。

よく、経歴を重視する人が大手企業を選びがちですが、2~3年の経歴では大した意味は持たないです。

それよりは、ベンチャーで技術と経営を学びながら起業準備を行う方が、短期的に目的を達成できると考えています。

技術力を向上させたい場合は?

これも難解ですね。

一つの判断基準としては、特定のサービスで利用されている技術を網羅的に学びたければ大手企業最新技術を学びたければ海外ベンダ、または海外製品を積極的に取り扱っているベンチャー企業でしょうか。

前者の理由は、大手企業の方がサービスの品質が良いこともありますが、そういった技術が他の人でも再現できるようにドキュメント化や教育されていることが多いです。

逆にベンチャーの場合、ドキュメント化や教育に割く余裕がなく、属人化してしまう傾向にあり、その人の背を見て1つ1つ学ばなければならないハードルがあります。

また、セキュリティの技術力は海外優位な状況なので、最新技術を学ぶには、海外ベンダに就職することがよいでしょう。

また、国内でも海外製品を積極的に取り扱っているベンチャー企業があるので、そちらで製品の検証や導入をしながら学ぶのもよいかと思います。

まとめ

私自身、学生時代、企業選びに凄く迷った時期があったので、今回このような記事を書いてみました。

一概に大手だからこう、ベンチャーだからこうとは言えませんが、何かのご参考になると嬉しいです。

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この記事を書いた人

セキュリティコンサルタント【経歴】ベンチャー企業にてセキュリティ研究者として新規事業開発に従事した後、大手外資系企業にてペネトレーションテストやゼロトラストなどの幅広い業務を実施。現在はサイバー人材育成に携わりつつ、グローバル資格の効率的な勉強方法やセキュリティキャリアについて情報発信

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